旺介が生まれた日の話。

忘れないうちに、一度ちゃんと書いておきたかった事を今日は書いてみようと思います。

それは旺介が生まれた日の話です。

なんだか私の友人・知人も現在妊婦が多く、私自身も妊婦のため最近お産の日の事を思い出す瞬間がとても多いのです。
なんでも無い日だけど、2人目が出てこないうちに(笑)

ってことで、長くなると思います。。。;
お時間のある方だけどうぞ。

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その日、私が異変に気づいて目を覚ましたのは夜中の3時半頃。
なんだかお腹がモゾモゾするというか、ゾワゾワするというか、ピリピリするというか・・・気のせいかな〜と思ってまた眠りにつこうと思うのですが、その波は30分毎くらいにやってきて眠る事が出来ません。

「これはもしや?!」っと思ったのですが、その日はまだ予定日の12日前。
まだ早くない?っと思いつつも、夜が明けるまで待ってまだおかしかったら病院に行こうと夜明けを待ちました。

朝になりその後も全く眠れなかった私は、起きたお父さんに「何か変・・」と事情を話し、病院に電話で確認した後、一応入院道具を持って向かうことに。

思い返すと、夜中目を覚ますまで見てたのは、お父さんと二人で行きつけの産婦人科に向かい、道中に架かる橋を歩いて渡っている夢だった。
このときすでにお告げがあったんだね。。。

病院に着き、30分間隔で波がきますと看護師さんに伝えると、ではもう病室で待機してくださいと言うことになりました。
このとき、私は予定日よりだいぶ早いし、まだ生まれるはずないと思っておりました。
そんな訳で、「お父さんにはもう会社に行っていいよ。一人で大丈夫」とか言っちゃって後で後悔することになります;(絶対立ち会って欲しかったのに〜・・)

で、病室に通された私は「これに着替えてください」と手術服・・・ではなく、何と言うのかしら?出産時に着る用の服を渡され、まだこの時点に立っても「え?今日産むの?」と言う感じで、いまいち実感がつかめてなかった記憶があります。
それでも、一応母には連絡を入れておこうと思い電話すると「そっかい。わかった。じゃあこれからそっちに行くからね」っと類まれにみる優しさでいっぱいの声で、そして先輩母としての頼もしい声で返答してくてた。
そこまで来ても「来てもらった損になったらごめんね〜」と内心思っている私でした;(どんだけ余裕だw)
でも、着替えてベッドに横になりしばらくすると陣痛の間隔は段々狭くなり、ここで私は初めてこの日の出産を覚悟したのでした。
ほどなくして、母が着き私をリラックスさせるために色々と話かけるのですが、波が来る度に「あはは〜そうだよね〜・・・・っつつつ!来た・・・波が来た・・・」みたいなやり取りが絶え間なくやってきて。。。最後の方は「母よ・・ちとだまっててくれ・・」と失礼な事を思ってしまいました;

陣痛が30分刻みから15分刻み10分・・・5分(まで縮まった所でナースコール)・・・2分刻みになった時には分娩室に移っていました。

3時半から鈍い陣痛が始まって6時半くらいに病院に到着。
分娩室に移ったのはお昼少し手前でした。

ここから出てくるまでに2時間ほどかかったのですが、分娩室に入ってからが本当の山場でした;(当たり前ですが;)
お父さんを会社に行かせてしまったのを後悔したのはここからですね;


ここで、いわゆる産婦人科の分娩室の構造をご説明いたしましょう。
(どこもそうだとは言いませんが、ママ友との情報交換をした結果、どこもそんなもんなんだなっと思ったので;)
早く言えば、おっきな1部屋がパーテーションで区切られていて3名くらいが同時出産可能になっています。
で、足元の方が先生・看護師さん達が行き来出来るように開いている訳です。

(私が入った時も先に右隣に他のお母さんが入っていて、後半は左隣に新しいお母さんが入ってきた)

そんな訳で、産婦人科の分娩室は流れ作業で赤ちゃんを取り上げる訳です;

ちょっとイメージ悪く言っちゃったかもしれませんが、病院の方から考えればこれが一番合理的で安全な方法なんだと思います。だから、悪愚痴ではないんです。ちゃんと頭では分かってるからね。

でも、でもね・・・すっごい心細かったの・・・。
先生も看護師さんも同時に何人も診るから、変化のある人の所に集中する訳です。
その間、私はほっとかれる訳。ほってはいないんだけどね;もちろん。後になれば仕方ないってわかるんだけどね。でも、陣痛まっただ中の私は藁にもすがる思いなのよ。誰でもいいから側にいてほしいのよ。。そんな訳で、お父さんがいないのが寂しかったですね〜。


話は、出産に戻って。
私は大変安産でした。ヨガの神様万歳です。
そして安産型に産んでくれた母にも乾杯です。


陣痛は大変だったけど、私よく言う痛みって言うのは記憶にないんだ。。。
痛みと言うより、とんでも無い排泄感?(笑)
汚いって思ったそこのあなた!!子供を産むのだって体外から出るのだから排泄のような感覚があるに決まっているでしょう!!・・・なんて;
途方もない排出感・・・。
体中の穴と言う穴から体の物が出てきそうな感じ・・・(だから汚いって言うな・・・。)
胃も腸も臓器全部が・・・

(なんかえげつない日記になってしまったかな;でも忘れないように書いておきたかったの。許してね;)

「女の人は出産で、今まで自分の身体の悪かったもの、体の中の良くないもの、もしかして自分の嫌な所までを全て出しきって置いてきてしまう。出産で女は生まれ変わるんだ」と、とあるドラマの主人公が言っていたけど、まさに。
私はそれを体感したよ。
出産とはそういう解脱感にも似た感覚だった。(良く言えばね;)


で、もう一つ。絶対に書いておきたいことは。
その分娩台でうなっている最中、朦朧とする私の頭に浮かんでいたのは『旺』の文字。
細い明朝体の綺麗な書体を今でも鮮明に思い出す。
『旺介』と言うのはお父さんが候補に挙げていた名前ではあったのだけど、さほど注目されていなかったもの。
うつつに「なんで『旺』の字なんだ?」と思っていたのだけど、産み終わって思い返し「これはきっとこの子が『旺介』がいい!!って言ってるんだ!」と確信し、お父さんに伝え第一子の名前は『旺介』に落ち着きました。(名前きめるのもなかなか大変だったんだよな;)


出産の日の夢といい、『旺』の字といい。
日頃体験できない神秘の世界を垣間見た感じでした。


陣痛でのた打ち回ってるときは、出口の見えない不安でいっぱいで、こんな思いするならもう子供なんて産まない!!と思うのに、出てきた瞬間・・・本当にその瞬間に、こんなに感動するならもう一度産みたい!!と思う。
そんな所に、自分の自然界の生物的な雌を感じました。
本能的な部分だと思うこれは。女でなく、雌。


そして、産まれてきた我が子が第一声の産声に“がーーーーっ!がーーーーっ!!がーーーーっ!!!”っと泣いたことも印象深く残っております(笑)
産んだ瞬間でしたが「ん?」って思ったのを覚えています。。。
赤ちゃんって“ほんぎゃあ!ほんぎゃあ!”って泣くんじゃなかったっけ?っと・・・。
取り上げてもらって抱っこさせてもらった時の、男の子!って感じのごつごつ感も意外だったな。
産まれたばっかりの赤ちゃんってこんなにしっかりしてるんだ・・・っと思った。
顔見ればめっちゃ将軍顔だったし(笑)
いやいや・・冗談だはなく「将軍出てきたよ・・・」と思いましたよ。ははは。。。
計測の体重計の上でバタバタと動いている手足を長く感じたのも、今となっては懐かしい想い出になりました。。。
翌日から親子同室になったんだけど、ベッドの中で仁王立ちの佇まいで口を真一文字に結んで寝ている旺介・・・。
なんと頼もしい・・・。
思い返せば、産まれ落ちたときから逞しかったな・・・。
岩崎弥太郎の母が弥太郎を『生まれし時より夜昼となく泣き立て、まこにと荒々しき人なり』と書き記した言葉が脳裏をよぎります。。。
弥太郎になれるか・・・旺介どんよ。。あ、過度な期待はいたしませんがね(笑)


何事も無く出産した人はたったの4日程で退院させられる病院だったけど、その入院中の4日間結構楽しかったな。写真とりまくったしw
一日ごとに成長がわかって、発見があって幸せでした。
次の子が産まれたときには、また新しい発見があるんだろうな〜っと今から心弾む私なのです。

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なんだか、大長編で一部えげつない日記になりましたが(汗)、この感動は書き残しておきたくて頑張りました;
冒頭で、「忘れないように」と書きましたが・・・忘れろと言われても、忘れられないんですがね;あはは。。。

出産間近な友人もいたりして、なんとなく彼女に伝えたかったり(逆にプレッシャーを与えてしまっていたらどうしよう・・・;)、これから数ヵ月後に出産する後輩がいたり、一緒の時期に頑張ったママ友もこのブログを読んでくれているので、書いてみました。
最近結婚した、もしくはもうすぐ結婚する友達も周りにたくさん出来始めて、彼女達もきっと通る道だろうし、興味あるかな〜なんて勝手に思いつつ;


長い文を読んでくれてありがとう。
今年の8月もう一回頑張ります!!(笑)


写真は生まれた翌日撮影したもの。大きくなったの〜ぅ。涙。涙。